神奈川県川崎市多摩区登戸にある半ざむ向ヶ丘遊園本店の横山です!
今回は、東京都内のタワーマンションにお住いのF様より、
「寝室の気密性が高いから、冬用に掛けるのに、市販されているような分厚い羽毛布団だと暑すぎて掛けていられない。」
「そういった住環境で掛ける羽毛ふとんはどういったものがお勧めですか?」
とご相談いただきました。
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住環境の変化によるふとんの相談が増加
実は最近、同じようなご相談をいただく事が増えて来ています。
ここ最近の温暖化の影響もあるかとは思いますが、当店の立地も大きく関係しているのだと思います。
というのも、半ざむは神奈川県川崎市多摩区に店舗を構えており、川崎市内でも川崎区・幸区・高津区・中原区・麻生区などに、いわゆるタワーマンションと呼ばれる高層マンションが増えて来ています。
隣接する大田区・世田谷区・調布市・狛江市・稲城市・多摩市・町田市などにも、続々とタワーマンションが増えております。
タワーマンションの増加に伴い、移り住む方ももちろん増えていきます。
今までのお住まいより、気密性の高いタワーマンションに移り住む方も当然いらっしゃるので、冬の寝室の温度などが分からず、今まで使っていた分厚い羽毛ふとんをそのまま持ち込み、一冬掛けてみた結果、暑すぎてほとんど使えず、分厚い羽毛ふとんは必要ないと実感される方も多くいらっしゃいます。
そういった事情もあり、どこに相談したらいいかと悩んだ末に、寝具専門店である当店へ足を運んでいただけるお客様が増えているというのが現状です。
羽毛布団はなぜ暖かいのか
そもそも羽毛布団がなぜ暖かいのかというと、ダウン自体が発熱している訳ではなく、羽毛の中にはダウンとフェザーが混ざっており、タンポポの綿毛のような形状のダウンボールが体温を保温して、暖かい空気層を布団の中につくります。
その暖かい空気が輻射熱となって体に戻ってくることで暖かいのです。
暖かい羽毛布団の条件としましては
①ダウンボールが大きい
暖かい空気を含む量が多くなり暖かくなります。
②外側の生地が柔らかい
体にフィットしてより熱を逃がしにくくなります。
③外側の生地が薄くて軽い
熱の行き来がスムーズになるのとダウンボールのふくらみを邪魔しないので羽毛本来の性能を発揮しやすくなります。
といったところです。
生地質や生地の重さなどは触ってある程度は判断できますが、ダウンボールの大きさは、中の羽毛を見てみないと分からない事ですし、実際見てみても正直分かりにくいかと思います。
ダウンボールの大きさを判断する方法としましては、羽毛布団のボリューム(厚み)を見ていただくと分かりやすいです。
先述の通り、羽毛布団の暖かさは、どれだけ暖かい空気を含めるかで決まります。
なので、ボリューム(厚み)のある羽毛布団は、それだけ暖かい空気を含んでいるということになりますので、羽毛布団の保温性=布団自体のボリューム(厚み)となるわけです。
住環境によって変わる羽毛布団選び
ここで気を付けたいのが、この肝心の厚みが体質や住環境に適していなければ快適な眠りは手に入らないという事です。
半ざむでは、住環境のみで考えた場合、基本的な考え方としまして、鉄筋コンクリート造のマンションで使う場合は比較的薄め(保温性低め)の羽毛布団を、木造の戸建住宅で使う場合は比較的厚め(保温性高め)の羽毛布団をお勧めしております。
理由としましては、
マンションの場合
気密性が高く外気温の影響を受けにくいのと、コンクリートは蓄熱量が大きいので、冬場でもそれほど室温が下がらないことが多い。特に上下左右が隣家に囲まれている中間階にお住いの場合は外気に面する面積が少ないので余計に室温はさがりにくい。
戸建住宅の場合
コンクリート造に比べると気密性が低いのと、窓や玄関、屋根や外壁、床など外気に触れる面積が多く、暖かい空気が逃げてしまうので寝室の室温も外気温に近くなりやすい。
もちろん例外もあるとは思いますので、一概には全てが当てはまるとは言えませんが、上記の理由からお勧めする羽毛布団の厚みの基準を設定して、暑がりや寒がりなどの体質によって、どのくらいの厚みがそのお客様にとって一番快適に使っていただけるかを判断してお勧めさせていただいております。
※例外
マンションの場合でも築年数が古く十分な断熱性能が確保されていない場合もありますし、最近では戸建住宅でも下手なマンション以上に断熱性・気密性に優れている住まいも出てきています。そういった戸建住宅の場合、通常の戸建住宅と同じような掛け布団選びはNGです。
マンションにお住いの方にピッタリの羽毛布団
今回のF様の場合、タワーマンションの中間階にお住まいで、お部屋の気密性が高く、周りが隣家に囲まれているという事もあり、一冬過ごしてみて15℃を下回ることはなかったそうです。
外の平均気温で15℃というと、4月中旬から5月上旬にかけてと、10月中旬から11月上旬にかけての時期、要は春と秋の気温です。
この上記の時期に外でダウンを着ている方を見かける機会はそんなに多くないかと思います。
ということは、掛け布団も一緒で、一般的な分厚い真冬用の羽毛布団は必要ないということになります。
かといって、夏用の薄いダウンケットでは物足りないので、ある程度保温力は必要になってきます。
そこでお勧めさせていただいた羽毛布団が半ざむオリジナルの「ライト・ライトダウン」です。
「ライト・ライトダウン」の詳しく説明はこちら
ご購入いただきました
実際に冬用の分厚い羽毛布団とライダウンを掛け比べていただき、
「ライトダウンの方が軽いので掛けていて楽。」
「薄いので取り扱いも簡単そうでしまう時も省スペースで良い。」
「組み合わせ次第で使える時期が長いので使い勝手も良さそう。」
「体にフィットするので隙間がうまって掛け心地も良い。」
と気に入っていただきました。
そして、ライトダウンのラインナップの中でも、生地・ダウンの質・ダウンの量などの組み合わせで掛け心地が全然違うので、納得のいくまで掛け比べをしていただきました。
実際にご購入いただいた羽毛布団はこちらです。
[サイズ]SL(150cm×210cm)
[生地]綿100%(スビン&ラムコ超長綿サテン)
[キルト]タテ6マス×ヨコ8マス=48マス
[ダウン]ハンガリー産ホワイトマザーグース95%(ダウンパワー440)
[充填量]600g
[総重量]1500g
通常の冬用の羽毛布団が1.2kgなのに対し、半分の重量の600gのライト・ライトダウンをお選びいただきました。
F様にお選びいただいた羽毛はダウンパワー440dpで日本羽毛製品協同組合のゴールドラベルでいうところの、一番上のプレミアムゴールドラベルです。
生地は綿100%の超長綿サテン織の生地です。
生地を織る際に使用している糸番手がとても細いので軽くて柔らかい風合いです。
半ざむでは、平織の生地も取り扱いはございますが、サテン織の生地の方が種類は豊富です。
平織の生地は軽さや通気性が良いのですが、少し硬くなります。
ですので、柔らかさや光沢にこだわりたいという方にはサテン織の生地がお勧めです。
薄い羽毛ふとんの方が調整しやすく扱いやすい
最初はF様も「600gで本当に大丈夫かなぁ。」と少し不安そうにおっしゃっていましたが、実は薄い方が色々と使い勝手が良いのです。
例えば、真冬で気温が例年より下がり、室温も下がってしまって、1枚では少し物足りなく寒さを感じた場合は、お手持ちの毛布やケットなどと組み合わせて掛けていただく事で空気の層が増え、暖かくおやすみいただけます。
逆に分厚すぎて暑い場合は対処が難しくなってしまいます。
また当店のライト・ライトダウンであれば、ご購入後に羽毛を増量することも可能です。(羽毛布団の構造上、後からの羽毛の追加は比較的容易ですが、反対に減らすことは困難です)
そういった事も加味したうえでご納得していただきました。
季節ごとの羽毛布団の使い分けとアレンジ術
タワーマンションなどの気密性の高い住環境では、冬用の羽毛布団だけでなく、季節ごとの使い分けも重要です。特に、以下のような工夫をすることで、羽毛布団の活用範囲が広がります。
- 春・秋のミドルシーズン:
薄手の「ライトダウン」に、軽いブランケットやコットンケットをプラス。
温度変化が大きい日には、脱ぎ着が簡単なケットで調整。 - 真冬でも工夫できる組み合わせ:
寒さが厳しい場合、電気毛布との併用や、ダウンケットと重ねることで温かさを調整。
足元だけ別のブランケットを重ねることで、体感温度をカスタマイズ。 - 夏場の対策:
エアコンを使う時期には、薄手のダウンケットを使うことで、寒暖差を緩和し快適な眠りをサポートします。
気密性の高い住まいでの湿度管理も忘れずに
タワーマンションでは暖かさは保たれやすいですが、同時に湿気もこもりがちです。羽毛布団を長く使うためには湿度管理が重要です。
- 湿気対策のポイント:
寝室に除湿器を置き、湿度を50~60%に保つ。
【週1回の布団の陰干し】→週1回、カバーを掛けた状態で午前中の日が高くなるまでの間に表1時間・裏1時間の計2時間程日干しする事で湿気を飛ばし、ダニの発生を防止。
布団を収納ケースにしまうときは、湿気取りシートを一緒に入れる。 - 収納時の注意点:
長期収納時には圧縮袋の使用を避け、ダウンの膨らみを保つために専用の布ケースを利用してください。
羽毛布団のメンテナンスと長持ちさせるコツ
タワーマンションにお住まいの方は、暖房器具との併用や温度の安定性を活かして、羽毛布団を長持ちさせることが可能です。
- 定期的に羽毛をほぐす:使い続けることでダウンが偏ることがあります。週に一度、軽く布団を叩き、羽毛を均等にすることで膨らみを保てます。
- クリーニングのタイミング:【2~3年に1度】→1年に1度、専門の羽毛布団クリーニングを利用することでダウンの劣化を防ぎます。
- 修理・メンテナンスの依頼:当店では、購入後の羽毛の補充サービスも承っていますので、へたりが出た場合も安心です。
高級=快適とは限らない
半ざむとしましては、より品質の高い羽毛や生地を使用することで、より長く良い状態でご使用いただける羽毛布団に仕上がってくると考えております。
しかし、ただ品質の高い材料を使えばいいという訳ではなく、使用する方、一人一人に合わせてどうカスタマイズするかでお客様満足度も大きく変わってきますので、お客様からのヒアリング、掛け比べを重要視しております。
ですので、価格が安すぎるものにはそれなりの問題はあるとは思いますが、だからといって「高級=快適」とは限らないということをご理解いただければと思います。
今回のF様のケースのように、気密性の高いタワーマンションでは、厚手の羽毛布団は必ずしも快適とは限りません。生活環境に合わせた「ライトダウン」のような軽量な羽毛布団が、季節を問わず使いやすく、取り回しも良いためおすすめです。羽毛布団は、高級なものを選ぶだけでなく、使用者の生活環境や季節に合わせて最適なものを選ぶことが、快適な眠りを手に入れる鍵となります。
F様、この度は当店にご相談いただき、誠にありがとうございました。
今後とも、宜しくお願い致します。