以前、ダニのお話しをしました。ふとんをコマメに干し、湿気をふとんに溜めない事がダニを繁殖させない一番いい手だと書きましたが、今回はふとんの干し方についてお話ししたいと思います。
「ふとん」と言っても種類は色々あります。それによって干し方、しまい方が違いますので、参考にして頂ければと思います。
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寝具別の干し方
羽毛掛ふとん
裏表1時間~2時間。1ヶ月に1回で OK です。直射日光を避けるため、カバーはあえて外さないで干してください。
綿布団
裏表3時間。天気の良い日は毎日でも。綿は汗をとてもよく吸ってくれる素材ですが、同時に湿気も吸いやすいので、こまめに干す事をオススメします。
ただ、直射日光だと生地が傷むので、シーツや布で覆ってあげると良いです。黒い布で覆うと、高温になるのでダニ退治にも効果的です。
ポリエステルわたふとん
裏表2時間~3時間。日干しでも陰干しでも大丈夫です。ポリエステル自体が、汗や湿気などあまり吸わない繊維なので、綿布団ほど干さなくても大丈夫そうです。
羊毛・羊毛混ふとん
裏表1時間~2時間。日干しでも陰干しでも大丈夫です。日干しの場合は、シーツや布で覆うと良いでしょう。
真綿(シルク)掛ふとん
裏表1時間~2時間。カバーを掛けたままか、カバーをしていない方は布で覆って、陰干しが良いです。直射日光には当てないようにしましょう。
まくら
裏表1時間~2時間。陰干しで風を通してあげると良いです。除菌や消臭の液体スプレーをお使いの方もいらっしゃると思います。寝る直前は吹きかけるのを避け、必ず風に通して完全に乾燥させてから使うようにして下さい。
最近はあまり見ない光景になりましたが、ふとんをパンパン叩くのはよくありません。綿や羊毛のふとんを叩くとホコリがいつまでも出続けるので、どれだけ溜まってるのかと気になる方も居るんじゃないかと思いますが、実はあれは叩いたことによって切れた中綿が出てきて、ホコリに見えているだけなんです。
また、干す前に叩くと衝撃でダニが布団の奥に逃げるので、太陽の熱で弱るはずだったダニも元気なままになってしまいます。
仕舞う時には、叩くのではなく払うようにしてください。軽くでしたら叩いても大丈夫です。表面についた死骸や糞が取り除けます。
布団は干す時間も大切です。早朝は結露が蒸発するので湿気が多く、干しても水分を吸ってしまいふっくらしません。夕方も、日が落ちると急速に湿気が多くなります。布団を干す時は、天気だけでなく時間帯にも気を付けると良いですね。
布団寝具のしまい方
毎日のふとんの上げ下げはそんなに気にする事はないと思いますが、季節の変わり目などに長期しまう時は注意が必要です。
どの布団も共通して言える事は、「ビニール製の布団袋には入れない」という事です。
(一部中身を見えるようにする為に、使われているだけの物だったら大丈夫です。)
なるべく、不織布が使われている袋に寝具はしまうようにしてください。ビニールだけの袋に入れると湿気の逃げ道が無くなり、ダニが繁殖する原因になってしまいます。間違っても、大きい袋が無いからとゴミ袋なんて使わないで下さいね。
ちゃんとした布団袋なら、ほぼ間違いなく不織布など通気性の良いもので出来ているので、お持ちでない場合はホームセンターなどで探してみてください。買ってまで…という方は、使っていないカバーやシーツなどで包んでしまうのも良いと思います。
しまう前の一手間でふとんを長持ちさせましょう
季節の変わり目に布団をしまい込む前に、一度天日干しを1時間程度してからしまうようにしましょう。中の湿気が抜け、押入れの中での劣化やダニの繁殖を防いでくれます。
特に羽毛布団は湿気のある状態で長期保管してしまうと、ダウンがダメになってしまうので注意が必要です。
圧縮袋 使い方にご注意を
季節によって使わないふとんは、押し入れに入れるのにもかさばるし邪魔に感じますよね。ふとん圧縮袋でカチカチに圧縮してしまえば、収納も楽だしスペースも確保出来るので使っている方も多いのではないでしょうか。ですが、それは実は NG なのです。
カチカチになるまで圧縮してしまうと、ふとんの中綿がちぎれてしまいます。そうすると、使うときにホコリとして舞ってしまいます。また、綿が切れているので元の寝心地にはもどりません。
どうしても圧縮する場合は、全体の膨らみの1/2 程度に抑えましょう。
圧縮袋 羽毛は NG!
ただし、羽毛掛ふとんの圧縮は絶対に NG です。羽毛布団は鳥の羽で出来ています。
胸からお腹に掛けて生えている、ふわふわの毛の事を「ダウン」、羽の部分に生えてい硬い軸が通った毛を「フェザー」と言います。
(フェザーは羽ペンを想像してもらうとわかりやすいと思います)
羽毛布団を圧縮してしまうと、まず暖かさを保ってくれるダウンが潰れてちぎれてしまいます。
また、フェザーも硬い軸が側地に突き刺さり、中身が出てきてしまう原因にもなります。どんなに高級な羽毛を買ったとしても、圧縮を掛けると一発でダメになってしまうので、圧縮だけは絶対にしないようにしましょう。買ったときに入っていた布袋に戻すのが一番良いです。
ウール・カシミヤは虫食いに注意
「ダニのお話し」でもお伝えしましたが、昔に比べて住まいの環境が良くなったこともあり、年々増加傾向になるそうです。衣類と同じで、寝具で獣毛を使っている方は収納時に防虫剤を入れ、不織布のケースなどで保管するようにしましょう。