新婚生活を始めるにあたってはマットレス選びも大変重要な行為です。
しっかり眠れないと疲労がたまったり、イライラしたりして円満な生活に水を差しかねません。
また新婚当初や同棲当初は良かったが子供が生まれて成長したら、せっかく購入したマットレスが全く使えず買い直して、処分せざるを得ないケースも多々あります。
「せっかく高い値段で購入したのに・・」
と後悔する人も多いので、そうならないための情報を寝具専門店3代目と3人の子育てをしているパパの視点から「将来的に子供が欲しいカップル・新婚さんに知っておいて欲しい失敗しないマットレス選び」について書いていきます。
将来も考えた上でカップル・ファミリー向けのサイズを選ぶ
新婚生活を始めるときにマットレスのサイズは超重要な点です。
寝がえりや安定した寝心地を確保するためにはダブルサイズ、クィーンサイズ、キングサイズがおススメと各サイトで紹介されているかと思いますが、私の視点は異なります。
私がおススメするサイズはシングルorセミダブル×2台です。
実質、ダブルサイズやクィーンサイズ、キングサイズよりも大きいサイズをおススメします。
理由その1 コロナ禍を経てウィルスに対する考えも大分発展していますが、パートナーがウィルスに罹患した場合、同じ部屋で寝るのは非常に危険です。部屋を分けて別々に寝る必要があります。シングルサイズならマットレスを移動すれば別々の部屋で寝る事が可能です。一時的なら簡易的な寝具でも良いですが、簡易的な寝具では寝心地が不十分なので快眠が妨げられて、免疫力の低下にもつながります。また子供は保育園や学校などから病気をもらって来やすいです。こういった背景からもリスク対策のできる汎用性のあるマットレスのサイズ選びを推奨します。
我が家は家族5人でシングルサイズ×5台を使用しています。
誰かが罹患すれば移動できるようになっていますので家族全員がウィルスにかかるリスクは低減できているかと思います。
理由その2 この文章を書こうと思った最大の理由です。
子供は作らないという方は対象外ですが、子供が生まれたら例えキングサイズでも狭くなります。
新生児のうちはまだ良いですが、生後6か月を過ぎると物凄い量の寝がえりをうちます。ベビーベッドでも窮屈そうになってしまいますし、親と寝たがる子供も多いかと思います。
3人の子育てを経験してますが、顔の上に乗っかってきたり、ベッドから落ちたりと驚くような事もしばしばです。
そんな状況ですから狭い環境では、両親の快眠が物凄く妨げられます。ですからお子様と一緒に寝る環境では、キングサイズ以上にゆったりとした環境で寝るのがおススメです。
寝がえりをうつようになったら体の大きさは関係なく一人1台でシングルサイズかセミダブルサイズのマットレスで寝れるようにするのがおススメです。
また小さいうちはジュニアサイズやトドラーサイズという選択肢もあります。
部屋のスペース上、シングルサイズでも厳しい場合はセミシングルサイズという選択肢もあります。
ご参考までに当店のセミシングルサイズマットレスの専用ページです。
→https://www.hanzam.org/semisingle-mattress.php
さらに当店はご購入時に不要になったマットレスを回収していますが、回収の際、一番多いサイズが「ダブルサイズ」です。
新婚時に2人で寝れるように購入したはいいが、お子様が成長して寝がえりを打つようになり、快眠どころではなくなったご夫婦がお子様用含めてシングル3台に切り替えるパターンが非常に多いです。
このケースが最も「失敗しやすいケース」といえますので、ダブルサイズの購入を検討している方はご注意ください。
またお子様の睡眠環境やスペースを考えると多くのご家庭でベッドフレームを処分してベッドスタイルの生活からフロアスタイルの生活に切り替えるケースもあります。
子供は沢山&広範囲で寝がえりを打つのでベッドから落ちることもしばしばです。
落下防止のベッドガードをするという選択肢もありますが、フロアに直接寝れるようにした方が広い場所も確保できるし、経済的にも安全性的にもベターという判断をするご夫婦もおられます。
我が家も一頃は、上記の理由からフロアスタイルの時期がありましたが、私のアレルギー症状がひどくなったのを期にベッドスタイルにした経緯もあります。
フロアスタイルかベッドスタイルかは複合的な条件をもとに選ぶ必要がありますので
お気軽にご相談いただければと思います。
自分にあった寝心地を選ぶ
大きなベッドにおしゃれなカバーリングって憧れますよね・・・
新婚時代は理想的な空間を築きたいがためにキングサイズやクィーンサイズ、ダブルサイズ
で寝室を飾りたくなりますよね。
さらにマットレス自体も1枚に繋がっていて、左右とも硬さが同じマットレスを選びがちです。
しかし当店ではそういったマットレスはおススメしていません。また上記で挙げたサイズの点からもお子様との生活を考えるとおススメしてません。
さらに、人それぞれ骨格や体型・体重が異なり、フィットするマットレスの硬さが同じだとは限りません。
1枚もののマットレスで硬さが2人とも同じだと、どちらかが寝心地が合わず辛い思いをする可能性が高いです。
また骨格タイプによってはマットレス一枚だけでは不十分で、厚みとクッション性のあるベッドパッドが必要なケースも多々あります。
たまたま似たような骨格タイプであれば1枚もので硬さが共通のマットレスで良いですが、たまたま骨格タイプが共通である確率は低いです。
人は大きく分けて6種類の骨格タイプがありますし、同じ骨格タイプでも、一人ひとりに併せてベッドパッドなどでの細かいチューニングが快眠には必要だからです。
その人の骨格や体系、体質に合わせてマットレスを選ばないと快適な睡眠生活は送れません。
快眠生活を送りたいなら一人ひとりに合わせて、自分にあった寝心地選びを強くおすすめします。
そもそも両親がグッスリ眠れていないとイライラして、子供にも必ず影響します。
子育ては予想外の連続ですし、心に余裕がないと子供にもパートナーにも優しくできません。
ですからグッスリ眠れる環境づくりが明るい家庭づくりには大切だと考えています。
それでもおしゃれな大きいサイズのベッド生活にこだわりたい!という方におススメのパターンを紹介します。
おススメ①
セミシングルサイズ(80cm幅)×2台でそれぞれ硬さの異なるマットレスを選べるタイプのマットレスがおススメです。2台合わせるとちょうどクィーンサイズ(160cm)になります。ベッドフレームはクィーンサイズで問題ありません。※クィーンサイズに関してはメーカーにより横幅のサイズが異なりますのでご注意ください。マットレスとフレームを同じメーカーにすると安心です。
おすすめ②
フロアにもベッドにも使える高反発マットレスのセミシングルかシングルかセミダブルを組み合わせる方法です。将来的に子供が生まれたときの事を考えると経済的にもその後の移動の苦労も少ないかと思います。
高反発マットレスは比較的厚みの少ないタイプが多いですが、おしゃれさを求めるなら厚みのあるマットレスの方が好まれる傾向にあります。
厚みのあるマットレスなら「マニフレックス」がおすすめです。扱い店舗も多々ありますので購入しやすいマットレスです。当店も「マニステージ川崎」としてマニフレックスの品揃えが充実していますのでお気軽にお越しください。
→https://www.hanzam.org/magniflex.php
しつこいようですが、マットレスを選ぶ際は骨格タイプを測定して自分に合ったマットレスを選んでくれるお店を選ぶと良いですよ。
自分にあった寝心地でないと疲れをとるために寝てるのにかえって疲れることになります。
クッション性・体圧分散性を確保する
マットレスはただ単に眠るためだけではなく、睡眠中の無防備な体を支える役割があります。人間の骨格は2足歩行するのには適していますが、背骨を中心に凹凸があるので仰向けや横向けになって寝る姿勢に適しているとは言いづらい側面があります。
地べたで寝たら体中が痛くなってしましますよね。
ですから睡眠中は、背骨を中心とした骨格の凹凸を保持できるクッション性が必要です。
また人間の体は仰向けに寝たときに均等に圧が掛かっているのではなく体の部位に応じて異なる圧がかかります。
以下の体圧分布図をご覧ください。
図は人が仰向けに寝た際に全体にかかる圧を100%した場合、体の部位ごとにかかる圧を表しています。まず頭部を支える枕部分は約8%、背中部分で33%、腰部分は最も重く44%、脚部で15%となっています。
とてもアンバランスですよね。
この図から分かるのは腰部分が最も重く、腰に圧がかかりやすいということです。
つまり寝ている間は腰に最も圧がかかるので、うまくこの44%という数字を他の部位に分散させられるかがマットレスに求められる要素の一つです。
これを「体圧分散」といいます。
逆にこの体圧分散ができないと、かなり高い確率でマットレスが原因の腰痛になります。
図のような画像をご覧になった事がある方も多いと思います。
以下は、当社スタッフの平子が一般的な羊毛混の敷布団で寝た場合とオリジナル高反発マットレスで寝た場合の「体圧分散性」を比較した図になります。
<体圧分散ができていない例 仰向け寝ー羊毛混敷ふとん>
背中と腰部分に赤・オレンジの色が出ています。この部分にかなり圧がかかっています。上記の体圧の図と同じ部位です。(腰部44%、背中部33%)
<体圧分散ができていない例 横向き寝ー羊毛混敷ふとん>
こちらも腰部、肩部に相当な圧がかかっています。
上記の体圧分布図は仰向け寝の体圧を表していますが、横向き寝の際も同じ部位で圧がかかってきます。
以上のことから、仰向け寝・横向き寝の両方とも赤い部分に最も圧が掛かっているのが分かるかと思います。
こういった状態ですと腰痛や背中痛、肩痛になりやすい状態になっています。
<体圧分散ができている事例 仰向け寝ーオリジナル高反発マットレス>
腰部分、背中部分ともに体圧分散ができている状態です。こういう状態ですと腰にも背中にも負担が少ないので快眠しやすい状態といえます。
<体圧分散ができている事例 横向き寝ーオリジナル高反発マットレス>
腰部分・肩部分の圧は羊毛混敷き布団に比べて圧が減っています。
ただここで気になるのは肩部分の圧がまだ大分、残っている状態です。
ただ、こういったケースでも部分的に硬さを変えることで体圧分散を促進することは可能ですのでご安心ください。
長々と書いてしまいましたが「体圧分散」がいかに重要かがご理解いただけたかと思います。
快眠のためには「体圧分散」ができているマットレスを選ぶ必要があります。
マットレスといっても骨格は一人ひとり異なりますし、マットレスの種類も沢山ありますから、そういった要素を含めてマットレス選びをできるお店で買い物をすることをおススメします。
寝がえり性を重視する。
一般的に人は睡眠中に30回ぐらい寝がえりをうつと言われています。
寝がえりを打つ理由は、寝がえりを打つことで同じ姿勢で滞留した血液や体液を流す役割と同じ姿勢で寝る事で温まった熱を放熱するためと言われています。
ですから寝がえりを打つことは快眠のために大切な行為です。
これを疎外しやすいマットレスは快眠を妨げます。また寝がえり中は脳波が覚醒(目覚めること)に近づきます。「よっこいしょ」と寝がえりにエネルギーがいるような反発力がないマットレスですと睡眠の質が妨げられますので寝がえりのしやすい反発力のあるマットレス選びをおススメします。
こういった観点からすると当店では低反発素材のマットレスはおすすめしていません。
またお子様の成長の観点からも寝返りは重要です。
たくさん寝返りをうつお子様にとっても大人にとっても寝返りのしやすいマットレスを選びましょう。
振動性を重視する
2人で同じマットレスに寝るとパートナーの寝がえりが気になる事が増えます。
寝返りを打つたびにマットレスが振動するからです。
お子様と寝ていたら寝返りが多いのでますます気になってしまいます。
とくに鉄を使用したコイル系のマットレスでその傾向は顕著になります。
特にボンネルコイルのマットレスですとその構造上、振動が伝わりやすいです。逆にポケットコイルはボンネルコイルに比べると振動が伝わりにくい構造になっています。
しかしコイル系のマットレスはどうしても振動が伝わりやすいので、より振動を少なくすることを考慮するとウレタンフォームを使用した高反発マットレスに分があります。
高反発素材のウレタンフォームの特性上、パートナーの寝がえりはかなり気になりにくいので振動性を重視する場合はウレタンフォームのマットレスをおすすめします。
また快眠を考える上で「中途覚醒」について触れておく必要があります。
中途覚醒とは睡眠の分断を意味しており、読んで字のごとく途中で目覚めることです。
またストレスの多い我々現代人は中途覚醒をくり返すことで睡眠不足になったりすることで免疫力が落ち、疾病にかかりやすい環境にあります。
ですから一枚もののマットレスよりは別々のマットレスにする事をおススメしています。
どうしても1枚もののマットレスで寝たい場合は鉄のコイル系のマットレスよりは高反発系のマットレスをおススメします。
長文となりましたが、以上5つのポイントで「将来的に子供が欲しいカップル・新婚さんに知っておいて欲しい失敗しないマットレス選び」について書かせていただきました。
まだ知りたいことなどがございましたら、お気軽にご相談いただければと思います。
読んでいただきありがとうございました。