ご主人様の腰痛が原因でマットレスの買い替えをご検討中のT様ご夫妻がご来店されました。
現在Dサイズのマットレスで2人で寝ているので、同じくDサイズをご希望されています。
奥様からお話しを聞くと「私はそれなりに気持ちと思って寝ているけれど、夫が「腰が痛い」と言っているので二人に合うものにしたい。でも腰痛がひどくなってしまった夫優先で考えています」
奥様は朝起きると首と肩のコリが気になっているそうですが、年の離れたご主人の方が辛そうなのでそちらに合わせたマットレスにしたいとのことでした。
実は、お二人に合うマットレスを探すのはなかなか大変です。
腰痛や肩こりなど起床時に気になる悩みが無い方は、家具屋でベッドを試して買った場合、柔らかいマットレスを選ぶ方がとても多いです。
逆に、元々腰痛がある、昔から腰が悪い。などのお悩みをお持ちの方は硬めのマットレスを選ぶ方が多い傾向にあります。「腰痛があるなら硬め」と、どこかで見聞きした事があるのだと思います。
私も寝具店に勤めるまでは「試した時に気持ちよく感じるのは柔らかめだけど、体の為には硬めを買っておけば間違いない」と何故か思っていました。その様に考えているお客様も多くいらっしゃるので、どこかで見聞きしているのだと思います。
マットレスの硬さは「硬めVSやわらかめ」になりがちですが、(黄色線)本来は「その人のもつ骨格によって決まる」が正解です。
このページの目次
夫婦で合う硬さのマットレスが微妙に違う!
どちらかは寝心地が良いと感じても、片方は寝心地が良くないと感じている方は意外と多く、実は「同じマットレスを使っているご夫婦あるある」なんです。
当店にも同じようなお悩みをお持ちの方がよくいらっしゃいます。
T様にはテーブルでヒアリング後、お二人の骨格を「非接触型寝姿勢判定ピマピッタ」で測定させていただきました。
その結果、ご主人様は「Sライン(ややフラット気味)タイプ」奥様は「Hライン(背中はフラット)タイプ」だと判明しました。
ご主人さま:Sライン(ややFライン気味)
Sラインをお持ちのご主人様は、硬すぎるマットレスは合いません。背中や臀部が腰より出ている為、硬いマットレスに寝てしまうと腰に隙間が出来てしまい、腰の支えがない為負担が掛かるので腰痛の原因になってしまいます。
ただ、実際に背中を触らせていただくと「Fラインに近いSライン」だと分かりました。
「Sラインほど背中や臀部は出ていないがFラインほど直線ではない」という骨格です。
Fラインの場合、柔らかいマットレスは合いません。大抵の場合、臀部が一番重いので仰向けで寝た時にお尻部分が柔らかいと沈んでしまいます。Fラインは骨格が直線なので、お尻が沈むとそこに負荷が掛かり、これも腰痛の原因となってしまいます。
「ハードタイプのマットレスが良いが、ベッドパッドやムートンを重ねてあげる必要あり」
という測定結果でした。
奥様:Hラインタイプ
Hラインをお持ちの奥様もご主人様と同様、硬すぎるマットレスは合いません。奥様の場合、背中や腰部分より臀部が出ているHラインタイプでしたが、実際に背中を触らせていただくと「背中から腰までFラインのHライン」の骨格だと分かりました。
Hラインの画像ほど、腰にくぼみがないので「背中から腰までは硬めのマットレスで支えお尻は沈めてあげる必要あり」
という測定結果でした。
実際にこんなマットレスを試して頂きました
Dサイズをご希望なので、ご主人様に合わせたマットレスでも奥様にご満足いただけるのが一番だと考え、まずはご主人様用に組んだマットレスを用意しました。
AIR-SX_エアーサイクロン内蔵3つ折りタイプ_ハード
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リネン&ウール1.5キロタイプ
~AIR-SX_エアーサイクロン内蔵3つ折りタイプ_ハード~
こちらのマットレスはハードタイプになりますが、独自の「サスペンションスリット」という切り込みが両面に入っています。それにより、しっかり支えてくれながらもフィット感を出してくれるという工夫がされているので、ご主人様の骨格に合うのではないかと考えました。ただ、これだけでは硬すぎてしまい、腰に少し隙間が出来てしまっていました。
~リネン&ウール1.5キロタイプ~
そこで、土台となるマットレスは硬めにしておいて、上に弊社オリジナルのリネン&ウール1キロタイプを重ねて隙間を埋める事にしました。
一般的なウールパッドは中綿がシート状に圧縮加工されており、硬すぎるのでウールならではの弾力がほとんどありません。(また、シート状にしてしまうと吸湿発散性にすぐれたウールの特性が消えてしまうのでムレやすくなってしまいます。)
当店のウールパッドは「ウールわた」を使用しているので、夏でもムレずしっかり体の隙間を埋めてくれます。
今回はご主人様の緩やかにカーブした背中と臀部を沈ませたいので、1.5gと少し厚めのパッドで試して頂きました。
硬めでもスリットの効果でフィット感のあるAIRとウールパッドの組み合わせにより、キレイな寝姿勢を保つことが出来ました。
寝心地も大変気に入っていただき、いよいよ奥様に試して頂く番です。
結果…
奥様には全然合いませんでした(泣
念のため隣に奥様用のマットレスを用意していたのでそちらも試して頂くと「こっちの方がいい。やっぱり夫婦でも別のマットレスを使わないとダメなんですね」と悲しそうなお顔に…。
最初にご提案していた「リネン&ウールパッド1.5kg」は(黄色線)マットレスと体の隙間を埋めてくれるので「マットレスだけでは少し硬いな」と思われる方には最初におススメしているアイテムですが、奥様は臀部をマットレスに沈ませてあげる必要があり、土台がハードマットレスだとウールパッドを重ねるだけでは硬すぎたのです。
大丈夫!骨格が違う場合でも同じマットレスに寝られる方法があります!
来店時は腰痛があるご主人様メインでお考えだったのですが、「やっぱり私も自分に合っているマットレスで寝たい」と奥様の要望もあり、お二人で同じ寝具に寝られるようにAIR-SXマットレスの上に「ムートン」を重ねる事をご提案しました。
ムートンは一立方cmあたり約4000本の羊毛により体を優しく支え、1本1本が密集し立ち上がって毛皮から生えているので(黄色線)まるで体が浮いているような感覚で眠ることが出来ます。
寝心地が良いのはもちろんですが、今回のご夫婦のように骨格に左右されず使える寝具なので、土台となるマットレスの硬さ選びを間違えなければどんな人でも理想の寝姿勢を保つことが出来ます。
ムートンについてはこちらをご覧ください
https://www.hanzam.org/mouton-select.php
ムートンクリーニングの詳しい説明はこちらからどうぞ
https://www.hanzam.org/mouton.php
硬めのマットレス+ムートンで解決!
T様ご夫妻の場合、ご主人様がSライン(ややFライン気味)奥様がHラインタイプでした。
どちらも部分的に沈みこませる部分が必要な骨格ですが、同じマットレスを使うには沈み込ませる場所や深さが違うのが難点でした。
そこで、骨格に関係なくお使いいただける「ムートン」を「AIR-SX_エアーサイクロン内蔵3つ折りタイプ_ハード」に重ねてお使いいただく事で、お二人で同じマットレスを使って頂けるようになりました。
マットレス選びは「骨格診断」から始めましょう
※当店では、専用アプリで撮影後、骨格に応じた敷寝具の提案をしております。
自分に「合ったマットレス」と「好きなマットレス」には皆さんギャップがあります。
後悔のないマットレス選びをする為に、ぜひお近くの専門店で「自分に合うマットレスとはどういうものか」を知ってから買われる事をオススメします!
寝具でお困りの事がありましたら、ぜひ一度ご来店下さいませ。
自分の骨格を知って、今後のマットレス選びにお役立てくださいね!