こんにちは!
半ざむ向ヶ丘遊園本店の横山です!
横浜市港北区より、半ざむのホームページを見てご来店いただきました。
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羽毛布団をストーブで焦がしてしまった場合のリフォーム事例【大塚家具ダウナプレミアム】
大塚家具さんのダウナプレミアムのダブルロングサイズをお使いだったのですが、なんと、寝ているときに、ストーブで焦がしてしまったようで、「打ち直し・お仕立て直しが出来ないでしょうか?」と羽毛ふとんをお持ち込みいただきました。
まずは羽毛布団の状態をチェック!
あまり使ってなく、ボリュームなどは全く問題ないのですが、焦げて穴が開いてしまっていて、中のダウンの状態も気になるところなので、しっかり診断していきます。
お預かりした羽毛ふとんは、ご自分で買われたものではなく、頂いたものなので、元々のお値段も良く分からないとおっしゃっていました。
ですので、大塚家具さんのホームページからダウナの商品ページで素晴らしい羽毛ふとんだという事をご説明させていただきました。
先述のとおり、使用年数はさほどながくないものの、焦げて穴が開いてしまい、応急処置として、お客様ご自身で縫ってしばらくは使用していたらしいのですが、穴が開いてしまった場合、縫って穴をふさいでも、針穴からダウンが出てきます。
カバーをしていても、細かいダウンがカバーの生地の隙間から出てきてしまい、そのまま使い続けると、ダウンを吸って健康被害をもたらす可能性もあるので、もし、羽毛ふとんに穴が開いてしまった場合は、なるべく早く打ち直し・お仕立て直しをするか、買い替える事をお勧めします。
少し話がそれましたが、今回お持ち込みいただいた羽毛ふとんは、焦げた部分はありますが、打ち直し・お仕立て直しで十分ふっくらするボリューム感でしたので、中のダウンのチェックをして最終的にリフォーム可能か判断していきます。
ダウンの状態、詳細もご説明致します
取り出したダウンがこちらです。
大塚家具さんのダウナに使用されているダウンはポーランド産のホワイトマザーグースダウン95%で、現在、シングルロングサイズで213,000円、ダブルロングサイズで256,000円の金額で販売されています。
中のダウンが元々高品質なのと、使用年数が短かった事もあり、ダウンの状態はまずまず良かったです。
ダウンがちぎれる『ファイバー化』しているダウンは少なめでしたが、ダウン同士が絡み合って出来てしまう、『玉ダウン』状態のダウンがちらほら見受けられました。
ファイバー化と玉ダウンについて詳しく知りたいかたはこちらから。
大塚家具さんのダウナはダウン95%なので、95%はタンポポの綿毛のようなふわふわしたものですが、残りの5%は軸の付いたフェザーです。
診させていただいた限りだと、通常羽毛ふとんに入っているフェザーよりも少し大きめのフェザーが入っていました。
それと、ダウナは掛けた時の体へのフィット性を増すために、羽毛ふとんの裏生地と表生地の間のマチを高くしているので、マス目の中でのダウンの動きも多く、玉ダウンになりやすかったのかもしれません。
玉ダウンはダウン同士、または、ダウンとフェザーが数個〜数十個雪だるま式に絡み合っていくので、徐々に、羽毛布団のカサが出にくくなってしまいます。
ですが、この『玉ダウン』は半ざむの羽毛ふとんリフォーム(プレミアムダウンウォッシュ)でほぐす事が出来ます。
プレミアムダウンウォッシュの工程
ここで、プレミアムダウンウォッシュの工程をざっくり説明させていただきますね!
- お布団の生地を裂いて中のダウンを吸い出す
- チリや傷んだ羽毛を取り出す
- ダウンを専用の洗浄機で洗濯して汗や汚れを洗い流す
- 150℃の高温で一気に乾燥させて殺菌。ダウンのパワーも復活
- 冷ましながら、羽毛の奥に残っていたチリを除去
- 縫製職人が布団の側生地をご希望の生地・サイズ・キルトで仕上げ
- 側生地に洗って乾燥させたダウンを詰める(必要に応じて新しいダウンの足し羽毛)
- 厳重に検品後、納品
といった工程でお仕立て直ししていきます。
この工程の②と③と⑤で『ファイバー化』したダウンを取り出し、③で『玉ダウン』をほぐします。
診断の結果、プレミアムダウンウォッシュで打ち直し・お仕立て直しで焦げた部分の取り除きと消臭が必要でしたので、お見積もり後、ご注文いただきました。
ダブルロングサイズの羽毛ふとんにお仕立て直し
ダブルロングサイズの羽毛ふとんにお仕立て直しが完成!
羽毛ふとんをリフォームすると洗いの工程でどうしても捨てる部分が出るので中のダウンが目減りしてしまうので、通常は元のボリュームに戻すために新しいダウンを足すのですが、今回は比較的ダウンの傷みが少なく目減りが少なかったのと、費用を少し抑えたいとの事で新しいダウンは足さずにお仕立て直しいたしました。
ただ、プレミアムダウンウォッシュでダウンのパワーを回復させるとはいえ、多少、ボリューム感は減ってしまうので、体に掛かる真ん中の2列のマスの部分を端の2列のマスより多く入れる事により、ボリューム感と保温力を損なわないような工夫をしてお仕立て直しいたしました。
今回実施した大塚家具ダウナプレミアムのリフォーム内容
- ダブルロングサイズ1.24㎏→シングルサイズ1.1㎏
- プレミアムダウンウォッシュ
- 新しい充填原毛:なし
- 新しいお仕立て側生地:綿100%(100番手平織)
- 仕上がりダウン重量:1.1kg
元々使用していた羽毛ふとんが大塚家具さんのダウナプレミアムでしたので、本来であれば同じ糸番手(繊維の細さ)の細い平織の側生地(バティスト250)でお直しするのが理想的でしたが、エジプト超長綿を使用したすごく質の良い生地で金額が高くなってしまうので、同じ平織で1ランク下の100番手の平織の生地で仕立てました。
平織の生地の特徴としては
- 通気性が高く軽い
- サテン織に比べると丈夫
- 糸の番手が太いと硬くなる
などがあります。
最後の項目にあるように、生地を織るときの繊維が太いと硬くなってしまい、羽毛ふとんの側生地にしたときに掛け心地が悪くなってしまうので、今回は100番手という、使われている繊維の細い生地を使用しました。
バティスト250は250番手というものすごく細い繊維を使っているので軽くて丈夫なのにとってもしなやかな生地です。
バティスト250と100番手の平織を比べると、やはり違いがありますが、100番手の平織も一般的な平織の生地に比べるととてもしなやかなので、とてもいい風合いに仕上がり、お客様にも満足していただきました。
お客様と一緒に、羽毛ふとんの側生地やダウンの状態を見ながら診断し、ダウンの違いや、生地の織り方の違い、糸番手(繊維の細さ)、耐久性など、ご説明させていただき、掛け比べなどもした後、何パターンかお見積もりを出した中からご納得行くものを選んでお決めいただきました。
大切な羽毛ふとんの打ち直し・お仕立て直しを半ざむにお任せいただいてありがたい限りです。
ふっくら綺麗に仕上がった羽毛布団で「リフォームして良かった」と思いながら快適にお休みいただければ幸いです。
半ざむでは年間100枚程の羽毛布団のリフォームを承っております。
今回の様に、東京西川製品が多いですが、他のメーカーの羽毛布団はもちろんですが、最近では、大塚家具さんのダウナ・ダウナプレミアムなどのリフォームもご相談を受けることが増えております。
その他、アイダーダウンの様な特殊な羽毛のリフォームも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!